WAKEフィジカルトレーニング

ミドルエイジからのワークアウト

岐阜で開催された第6回透析運動療法研究会で運動の実演をしました。

岐阜で開催された透析運動療法研究会でゴムバンドを使った運動の実演を行いました。透析患者の数は現在日本全国で32万人を超えています。身体を動かさないといろんな問題が身体で生じてきますが、重篤なのは心筋梗塞や脳梗塞、足の指先が壊死するようなことがあります。根底には糖尿病や高血圧などの慢性疾患があり、放置すると行き着く先が上記に挙げた疾患です。心臓、脳、腎臓に問題が起こってきます。

腎臓の機能が落ちると、自分の腎臓では原尿をろ過できなくなり、静脈から血液を抜き取り人工的に血液の老廃物を除去する方法を取ります。これが人工透析です。透析を受けるようになると週に16時間前後は床上で過ごすことになり、不活動を強いられます。動かないことが良くないわけですから、私たちは透析中に筋肉や心肺機能の低下を抑えるために運動療法を導入しています。

前置きが長くなりました。岐阜には最終の一つ前の新幹線で前日入りしました。当日の朝は7時45分からリハーサルがあり、各病院でのデモが簡単に成されました。私たちの発表は11時30分でした。時間があったのでポスター発表を見ていましたが、透析運動療法は今注目を集めていることがうかがい知れました。

そして私たちの順番です。持ち時間は20分です。走るときに鍛えられる筋肉は主に3つで、その筋肉を刺激できるように床上でできるエクササイズを紹介しました。一緒に登壇したのはさいきじんクリニックのエース臨床工学技士の玉井さんです。種目は①膝上げの運動、②お尻上げの運動、③膝伸ばしの運動です。不活動によって落ちる筋肉は走るときに使われる筋肉です。

一つずつ丁寧に説明し、皆さんに会場で寝てもらい実施しました。ただ運動をするだけでは面白くないので、音楽を使って実施しました。音楽はスロージョギング協会で販売しているスロージョギング専用のCDです。「花のワルツ」です。1分運動+30秒休憩を計5本でした。

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壇上で見ていると感心を持って聞いてくださっている人が多く見えました。時間はあっという間でした。終わった後2名ほど質問に来てくださいました。嬉しい限りです。

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私たちの取り組みはまだ始まったばかりで、今回紹介した運動も実はまだエビデンスというものはありません。ただこの3つの大腰筋、大殿筋、大腿四頭筋の筋肉を鍛えれば生活上のメリットが大きいということです。今後は乳酸閾値を測定し、至適運動強度を見つけ各個人に処方していくことだと考えています。透析運動療法自体まだまだ未開拓な分野だと思います。

透析患者さんに少しでも元気になってもらうために!

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今回の岐阜での発表にあたりチャンスを与えてくださり、全面的な支援をして下さったさいきじんクリニックの齋木先生には本当に感謝しております。ありがとうございました。