坂本誠のフィジカルトレーニング

パーソナルトレーナーの目線から、減量やトレーニングについて書いています

ジョギングとウォーキングはどちらがエネルギー消費量が高いの?

ご想像のとおり走った方がエネルギー消費量は高くなります。1㎏の体重を1㎞走って移動すれば1kcal消費されます。つまり60㎏の体重の人が1㎞走って移動すれば60kcalされます。 歩いた場合はその半分の30kcalです。その差は2倍になります。これはイタリアの生理学者マルガリアが発見したシンプルな法則です(マルガリアの理論)。

この理論でいうとスピードに関係なくウォーキングは消費量が低く、どんなにスピードを上げてもジョギングには勝てないということになります。

本当にそうなのでしょうか?面白い研究があります。

f:id:physicalist:20160512183424j:plain

早く歩くとジョギングよりも消費量は高い

f:id:physicalist:20160512183534j:plain

この図は横軸が時速で、縦軸は1時間当たりのエネルギー消費量です。◯は歩行で、■は走行です。これを見ると走行は直線的に消費量が上がり、歩行はカーブして消費量が上がっています。時速3㎞から6㎞までは走行の方が歩行よりも約1.7倍高く消費しています。

しかし面白いのは時速7㎞になると歩行と走行は1時間当たりの消費量は差がなくなっています。つまりウォーキングは低速では消費は少ないが、時速7㎞のスピードではジョギングに負けない(同じ)程になるということです。

「それならジョギングは嫌だからウォーキングで消費量を上げよう!」と思うかもしれません。しかし、なぜ人は走るのでしょうか?実は日本人の自然に走りたくなるスピードは時速6.4kmです(これをPTS:Prefered Transition Speedと言います)。つまり、それ以上速度を上げると無理が生じ、歩くと「きつい」ので走りたくなるのです。

実際に皆さん試してみてください。時速7㎞で歩くと「きつい」はずです。そして今度は同じ時速7㎞で走ってみてください。きっと走る方が「楽」に感じるはずです。走る運動は脚全体を使うので無理が生じにくく、きつく感じにくいのです。図の通り、さらにウォーキングスピードを上げて時速8㎞にすると歩行が走行の消費量を凌駕しています

確かに速く歩くとジョギングよりも消費量は上がりますが、それは特定の部位に無理が生じた状態。みなさんは消費を上げ、体力をつけるためにどちらを選びますか?

参考文献
北嶋康雄、佐々木唯香、田中宏暁 ランニング学研究 スロージョギングの有効性に関する研究 -低速走行と歩行の生理学的データの比較から- VOL.25 NO.1 FEB.2014