坂本誠のフィジカルトレーニング

筋トレとジョグのことをスポーツ科学と現場の視点から書いています

バーベルを降ろす動作は筋肉を太くする要因のひとつ 〜エクセントリック収縮〜

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私はトレーニングが初めてという人には、まずはフォームづくりから行います。当然のことです。写真はバーベルカール(or バイセプスカール)と言うエクササイズです。肘を固定するくらいのイメージで、バーベルを太もも付近から胸の高さまで弧を描くように上げていき、同じ軌道で降ろしていきます。バーベルを動かすスピードも重要で、よく反動を使って速いスピードで上げて、降ろす時にストンっと降ろす人いますがあまり良いとは言えません。私のやり方は1秒かけて上げて、2秒かけるくらいの気持ちでゆっくりと降ろします。あくまでも秒数はイメージです。実際には若干速いと思いますが、そのくらいのイメージの方が上腕二頭筋によく効きます。特に強調してほしいのは上げる時よりも降ろす時です。

 

●降ろす動作が重要

バーベルを降ろす動作をエクセントリック収縮と言います。上げる動作をコンセントリック収縮と言います。実は筋肉を肥大させる要因の一つに、「筋肉の損傷から再生」に至る過程が重要だと言われています(1)。その損傷させる引き金となる動作がエクセントリック収縮です。降ろす動作では筋肉は伸張され、筋細胞の膜や細胞内部の小器官が損傷を受けます。こういった現象は即時に起こるのではなく、10数時間経て起こります。損傷した細胞は修復過程を経る際にタンパク質を取り込んで、以前よりも太くなると考えられます。他にも筋肥大の要因は物理的な負荷や代謝的なストレスなどありますが、また後日のブログで書きます。

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●私の経験

私も以前トレーニングをするときには、上げる動作ばかりに気を囚われていました。フォームが崩れてベンチプレスで肩を傷めたり、逆に挙上重量が思うように上がらなかったりしました。プログラムを変えたキッカケは、ボディビルダーのドリアン・イェーツでした。彼の方法はエクセントリック収縮を重視していて、キッチリと丁寧に上げるやり方でした(2)。それを真似してみたのが、もう20年以上前です。大学2年の終わりの春休みだったのですが、2ヶ月間重量に拘らずにエクセントリック重視でトレーニングを行なったことで、ベンチプレス140kgから150kgを達成したのを覚えています。今ジムで何人も筋肉をつけたいという希望の人がいますが、フォームと同時にエクセントリック局面のこともしっかりと伝えています。上の写真の方はほかのジムでトレーニングをされていたのですが、徐々に停滞期を打破してきているようです。丁寧な動かし方は筋肥大を促すと改めて思います。

 

(1)石井直方著 「筋と筋力の科学② 筋を鍛える」

(2)「ドリアン・イェーツのすべて」

 

【編集後記】

年度がもうすぐ変わりますね。2月がすっごく寒かったですが、3月は暖かくなってきました。3月から4月に切り替わる時期ってすごく好きです。希望に満ちた感じ!桜も咲いているだろうし。花見が楽しみです。