坂本誠のフィジカルトレーニング

筋トレとジョグのことをスポーツ科学と現場の視点から書いています

田中宏暁教授の最終講義 〜スロージョギング健康法〜

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今日は福岡大学スポーツ科学部田中宏暁先生が退職されるということで、最終講義が行われました。会場は満席でした。先生はこれまでの研究の集大成を披露されると思っていました。全くそのとおりでした。今日はデータもそうですが、私は先生の研究の哲学はどこにあるのかを探るつもりで臨みました。なぜそういう発想に至ったのか?なぜほかの人とは違う発想ができるのか?なぜそこまで情熱的に動けるのか?先生の発想の原点は?私には持ち合わせていないものばかりです。その人の行動も素は考えや思いだと思っています。全てのスライドを写真に撮り、今それを見ていると先生の言葉が思い浮かびます。本当に言葉が心に突き刺さりました。

先生は「人に優しいエクササイズを提供する」ということを徹底して考えられていました。楽しくニコニコ笑顔が保てる方が、人が運動する際にコンプライアンス(≒定着)が良いという考えでした。ツーリズムの発想も多くの人が楽しんで、自然と運動できる環境の提供だと感じました。それから、「人の可能性を信じている」というというのが伺え知れました。体力が低くても、かなりの肥満者でも運動は可能!歩くことができれば同じ速さで、あるいはそれよりももっと遅くてもランニングができます。誰でも可能という言葉が響きました。最後に、「発見により人類の進歩に大きく貢献する」という思いで研究をされているのだと思いました。年齢を重ねても、いつまでも体力を若々しく維持したい。それは人類共通の願いだと思います。それをどう作っていくか?心臓の音を拾う機械に関しては、それにより体力評価と運動処方が一度に大人数可能で、コストも抑えられる。そういった夢のような環境づくりを長年かけて考えて来られたのだと思いました。そのことによる人類への貢献。そのように捉えました。

もちろん、この2時間ほどの講義で全てが分かるようなものではありません。先生は海外でAerobics with smile(笑顔で有酸素運動)のDr. Tanakaと称されています。これまで有酸素運動と言えど、70%最大酸素摂取量レベルの「きつい」運動が推奨されてきましたが、それが50%最大酸素摂取量レベルの「楽に感じる」運動でも十分に体力も上がるし、健康効果が高いことを証明されてきました。しかも、楽なだけでなく、楽しく会話もできる。人間は狩猟採集をしていた時代は決して全力疾走をしていた訳ではなく、ノロノロと走って最後に獲物を仕留めていたのだと言われていました。確かにそう思います。全力疾走していたのでは、疲れて1日中獲物を探し回ることはできません。人間が何万年も続けてきて、生来備わっている機能を知恵によって今流に再現したのがスロージョギングだと感じました。走れば健康になれる。それはニコニコペースで。一生忘れられない講義になりました。

今後、田中先生の哲学を受け継ぎならが、自分流の運動を作っていこうと思います。田中先生、ありがとうございました。今後のスロージョギングのご活躍を楽しみにしております。