坂本誠のフィジカルトレーニング

筋トレとジョグのことをスポーツ科学と現場の視点から書いています

減量時には筋肉量の低下を伴うことがデメリットではあるが

f:id:physicalist:20180602093205j:image

「筋肉をつけたい!体脂肪を落としたい!」

この要望は男性が多いです。体脂肪が落ちれば普通体重も落ちてくる。だけど、たまに聞くのが筋肉をつけていけば、脂肪が落ちて体脂肪率が下がるというもの。しかし、そんなのは減量時には至難の業だ。絞っている時には筋肉のタンパク質もエネルギーとして使われるので、どしても筋肉量が落ちる。これが現実です。それはボディビルダーだって同じ。シーズンオフの時に苦労してつけてきた筋肉も、大会前に絞る時には必ず脂肪と共に筋肉も少し落ちます。増えることはほぼないです。スポーツ選手で減量をしたことがある人は分かると思うが、減量時には筋肉量は簡単には増えない。ではなぜ、人気の某パーソナルジムの体験者は筋肉が付いているのか?

 

(1)某◯イザップ(笑)は2ヶ月でみんな筋肉が落ちている

本質はよく見ておく必要がある。2年前そのジムのホームページを見ると、面白いことがあった。「体重◯kgから◯kgへ。体脂肪率が◯%から◯%へ」と書いてある。スポーツ科学を勉強している人間ならこの数値を見ると、何かを計算したくなります。そう!体重と体脂肪率がわかれば筋肉量が分かります。正確には除脂肪体重と言います。この除脂肪体重は筋肉量をほぼ表しており、筋トレの成果がどの程度出ているかの目安になります。それを計算すると◯イザップの結果は全て除脂肪体重が低下していました。「ウソでしょう!でもみんな筋肉付いてるじゃん?」と言いたくなりますね。つまり元々その程度は皮下脂肪の下に筋肉を備えていたんでしょう!それでアフターの写真撮影前に腕立て伏せとか腹筋して筋肉をパンプアップさせて見栄えをよくすると言った感じ。しかもチャンピオンデータ(一番良いデータ)の可能性もありますね。

 

(2)仮に筋肉を増やして体脂肪率を落とすには

では仮に筋肉を増やして体脂肪率を落とすことができるというのであれば、一体どのくらい筋肉を増やせば良いのか?Aさんの体重は80kgで体脂肪率が25%あります(これは中等度の肥満になります)。体脂肪の量は80kg×0.25=20kgとなります。除脂肪体重は60kgになります(80−20=60kg)。ではハードな筋トレで除脂肪体重を61kgに増やし、体重は81kgになりました。食事を調整して減量をしないとするならば、脂肪の量は20kgのままなので20÷81kg≒24.7%が体脂肪率になります。25%が24.7%に落ちた程度です。納得いかないのでまだまだ筋トレして除脂肪体重を2kg増やし、62kgにしました。同じ計算になるので、この場合は24.4%の体脂肪率になります。ちなみに除脂肪体重を70kgまで増やしたとしても、体脂肪率は22.2%で、まだ肥満の状態です。しかも除脂肪体重70kgというのはボディビルダー並みで、かなりのレベルです。もっとも、その間に実質の脂肪量自体も減るのでしょうから、このようにはなりませんが筋肉量だけを増やして体脂肪率を下げるというのは至難の業なのです。

 

(3)有酸素運動が決め手

脂肪を大量に燃やすにはやはり有酸素運動が決め手です。もっとも手軽にいつでもできるのはジョギングです。私も2003年の時には92kgありましたが、その体重を落としたのは筋トレではなくジョギングです。なんでボクサーやボディビルダーも有酸素運動をするんでしょうね。あの格闘家の角田信朗さんもボディビルの大会に出場していますが、脂肪を落とすのにジョギングをしています。有酸素運動=脂肪燃焼運動だってことを知っているからです。脂肪を落としたい人はいつも「ジョギングか〜!」って言います。でもジョギングのスピードは関係ありません。超ゆっくりでも消費量は距離に比例するので、距離に集中するだけです。時々行うだけではダメです。毎日が重要です。だって時々車走らせたってガソリンはなかなか減らないでしょう?毎日コツコツとガソリンを燃やしている人が勝つんです。私もかつて3ヶ月で10kg体重を落とした時には毎日10km走っていました。

 

(4)「なんだ〜、だったら筋トレしなくても良いじゃん!」と思っている人に

こんなことを思う人もいるでしょう。確かにある意味そうかもしれませんね。でも、筋トレには除脂肪体重の低下にブレーキをかける役割があります。食事と運動を併用した方が筋肉量が維持されやすいという研究もあります。また食事だけで体重を落とした場合は有意に除脂肪体重も落ちるという研究も複数あります。ですので、「筋トレ必要ない論」はやはり問題であり、実施する方が良いですね。

 

減量時には筋肉量の低下を伴うことがデメリットではあるが、このデメリットを凌駕するものが今後必要でしょう。