坂本誠のフィジカルトレーニング

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心と筋肉のコネクション 〜Mind-Muscle Connection〜

バーベルやダンベルを挙げる時、重要なことがあります。それは「心と筋肉のコネクション(Mind-Muscle Connection)」です。こう言ってしまうと「何を言っているんだ?心と筋肉がつながるの?」ってことになるんですけど、つながるんです!つなげるんです!

 

(1)単に筋肉を意識しようというのは間違い

よく筋トレをしている最中に「筋肉を意識しましょう」と言います。ベンチプレスなら胸のエクササイズなので「胸を意識しましょう」って感じです。そうすれば胸の発達が促されるというのが理由なのでしょう。でも実は正確には違います。もし意識すれば筋肉が発達するというのであれば、極端に言えばベンチプレス中に脚を意識しても脚が発達することになります。そんなことはあり得ません。つまり本当に筋肉と心がつながるというのは、トレーニング中に単に集中して筋肉を意識すれば良いというものではないのです。

 

(2)「筋肉の付着している部位が解剖学的にこの骨から

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この骨の位置なのだから、

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次のように動かせば最大に筋肉が機能する」という考え

 

重要になるのは解剖学の理解です。大胸筋の例でいうと、大胸筋の末端が付着しているのは胸骨と上腕骨です(上の写真)。胸郭を大きく膨らませ、上腕を水平に伸展させ、前に押していくと、最大に伸張された位置からある程度短縮された位置まで動くことになります。つまりベンチプレスのことを言いたいのですが、ベンチプレスで大胸筋を鍛える場合には大胸筋の中部が大きく働きます。手幅は手を横に開いて、肘と肘の距離が最適な手幅です。メジャーで測り、その距離のところを小指が接するように握って行います。そうすると最も大胸筋に負荷がかかります。その位置でブレることなく、重さを大胸筋で受け止めることを意識しながらベンチプレスを行うと、自然と筋肉を使っている感じがしてきます。心と筋肉がコネクション出来るのは「正しいフォームで効かざるを得ない動きをして、負荷を筋肉で感じ取れた時」です。反動を使ったり、軌道が毎回ブレていたのでは効くはずがありません。ましてや我流で脇が締まった挙上や、手首が反ったりする挙上法はダメだということは言うまでもないです。

 

(3)動かすスピードはゆっくり下ろして重さに耐えながら行うのが超大事

解剖学効くように動かすフォームだけが重要と思いがちですが、実はもう一つは動作スピードが大事です。いくら解剖学を理解して、フォームが良くてもスピードが速すぎると筋肉の発達を最大化することはできません。感覚的には「2秒で降ろし、1秒で挙げる」です。筋肉が引き延ばされながら力を発揮する収縮様式を伸張性収縮と言います。筋肉を意識するのはこの伸張性収縮の時の方がより意識できます。理由は分かりませんが、筋肉が伸ばされるストレッチ感というのも理由の一つかもしれません。補足ですが、メリットとしては伸張性収縮の方が短縮性収縮(挙上する局面)よりも筋肉の損傷が著しく、修復の過程で筋肉の肥大を引き起こすと考えられています。

 

(4)レップ数は10〜15レップスが心が筋肉とコネクションしやすい

正しくゆっくりとした動作で行なっていても回数が少ないと心と筋肉はコネクションしにくいです。やはり疲労感が出てくる10〜15レップスが筋肉と対話しやすい回数になります。巨大な重量で数レップスではなかなか感じられません。回数が多いと動作もコントロールしやすくなります。ブレずに筋肉に負荷が掛かる軌道を通過させやすいので効きやすいです。もう一つ言うと、10〜15レップスだと解糖系という糖質を分解してエネルギーを再合成する過程で乳酸が溜まるので焼け付く感じがあり、効きやすさは更に高くなります(乳酸が溜まるから筋肉が焼け付いてくる感じがあるのかは定かではないですが)。

 

(5)ブラさない

これは先程も書きましたが、軌道をブラさないことはとても大事です。ブレると同じ筋群内でも違う筋線維を動員します。例えば上腕二頭筋の筋線維は平均で19万本あります。バーベルカールしてこの筋群の14万本を使ってカールしているとして、ブレると若干ズレて違う筋線維を動員します。毎レップ軌道がブレていると同じ筋線維に負荷を継続的に与えたいのに強度が弱まってしまいます。ブラさず同じ筋線維を使うからその筋線維群の成長が促されます。だからブラさないことが重要です。

 

このようにして

1)解剖学を理解し、

2)動かすスピードはゆっくりで、

3)10〜15レップス上げ、

4)ブラさない

ことで、心と筋肉をコネクションすることができます!

さあ、やってみよう。