坂本誠のフィジカルトレーニング

I am pursuing mild aerobic training and hard resistance training.

単一種目に工夫を加えて、エクササイズの強度を上げるテクニック

先日ブログで高強度、中強度、低強度と伝統的なトレーニングテクニックについて書きました(これです→http://www.sakamako.jp/entry/2019/01/22/121551)。意外と反響があり、興味がある人が多いのだと思いました。この伝統的な変化を与える方法というのは単一種目での変化になります。強度と挙上回数とインターバル時間を変えるのみです。考えてみたのですが、単一種目で変化を与える方法というのは他にもあるので自分の覚書として記載するのも良いと思いました。

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●単一種目のテクニック(同じトレーニング種目に工夫を加え、強度を上げるテクニックです)

(1)自然な反復動作にテクニックを加える方法

基本的な反復動作中に工夫を加えたテクニックになります。限界を迎えた時に挙上を補助したり、一旦休息させたあと10数秒で再度挙上に挑戦させるテクニックなどがあります。

 

①フォーストレップス(FR)

最も有名で、最も多くのトレーニー※1が使っているテクニックではないでしょうか。例えば、ベンチプレスで10レップス※2目に挙上できなくなった場合、その10レップス目からスポッターによる少しの補助で挙上を続けます。そのまま2〜4レップス繰り返します。スポッター※3が挙上を手伝う場合はスティッキングポイント※4と言われる最も力が入らない関節角度のみ補助する方法があります。そこをスムーズに通過させトレーニーに反復させます。もう一つはコンセントリック局面※5のみしっかりと手伝って、トレーニーにエクセントリック局面※6をしっかりと筋肉に刺激を加えさせる方法があります。筋肉はエクセントリック局面の方が筋の損傷が激しいため、その修復過程で筋肥大を狙うことができます。

★用語の解説

※1 トレーニー=トレーニングする人

※2 レップス=反復回数

※3 スポッター=補助者

※4 スティッキングポイント=動作可動域中で最も力の入りにくい関節角度

※5 コンセントリック局面=筋肉が短くなりながら収縮する局面。ベンチプレスなら挙げる動作。

※6 エクセントリック局面=筋肉が外力に負けて伸長されならが収縮する局面。ベンチプレスなら降ろす動作。

 

②レストポーズ(RP)

この方法は「挙上→一時休息→挙上→一時休息→挙上」と繰り返す方法です。重量は基本的には落とさずに行います。また安全のために、種目はダンベル系ですぐに床に降ろせる種目やマシン系の種目に限った方が良いです。

ベントオーバーロウの例で話すと、50kgを使ってワークアウトしていたとします。10回目で限界を迎えたらポーズ※1し、バーベルをラックに置きます。そのポーズ時間は10秒ほどです。そして10秒経ったら、再びベントオーバーロウを行います。その回数は最初のレップで10回行なったならば、ポーズを置いた場合は2〜4回程度でしょう。そして再び2回目の10秒のポーズを置きます。そしてラストのトライです。おそらく2〜4回程度で終わると思います。

★用語の解説

※1 ポーズ=一時休止

 

③マルチパウンディッジ(MP)

このテクニックは「挙上→ウエイトを下げる→挙上→ウエイトを下げる→挙上」といった具合に3段階で挙上にトライします。レストポーズと違うのは、ウエイトを下げてすぐに挙上を開始することです。

例えばラットプルダウンで70kgで8レップス目で限界を迎えた場合、重量をすぐに60kg程度に落とし再び挙上を繰り返します(おそらく2〜3レップス可能)。もう一度限界を迎えたら、またすぐに重量を50kg程度に落とし限界まで行います(おそらく2〜3レップス)。

もう一つの方法は限界を迎えたら、重量を20〜25kg程度落とし回数を多く行えるように設定します。6〜8レップス繰り返せるような重量に設定して、限界を迎えたら更にもっと落とします。最初の半分くらいの重量(ここでは35kgほど)にして更に6〜8レップス挙上を繰り返します。

 

(2)反復動作をテクニカルに変える方法

この方法は動きが通常の反復動作ではなく、意図的に筋肉に負荷がかかるように動きを操作するテクニックになります。

①コンティニュアステンション法(CT)

ベンチプレスやスクワットなどの肘や膝を伸展するエクササイズが分かりやすいです。例えばベンチプレスの場合トップポジション※1で肘を完全に伸ばさずに、わずかに曲がった関節角度まで到達したらすぐに切り返してバーベルを降ろしていく方法です。肘を伸ばすことをロックすると言いますが、ロックしないのでノンロック法とも言います。大胸筋に継続的に負荷がかかりきついエクササイズになります。負荷がどうしても下がってしまいますが、筋内に無酸素性の代謝物を蓄積させ筋肥大を促す効果があります。

 

②ピークコントラクション(PC)

ラットプルダウンやアブドミナルクランチが分かりやすいでしょう。ピークは筋肉を短縮させ最も縮こまらせた状態(筋肉の近位と遠位が近づいた状態)のことで、その時に力を込めてコントラクション※1させます。アイソメトリック収縮の状態になり、筋肉の血流が遮断された状態になっていると考えられます。その分無酸素性の代謝が亢進し、酸素不足になる可能性があります。そのことが筋内環境を過酷にし筋を発達させます。もう一つは止まった状態で筋肉の収縮を意識できることが、このピークコントラクションのメリットだと思っています。

※1 コントラクション=収縮

 

③バーンズ(Burn)

バーンズは燃やすという意味です。ピークコントラクションと同じ最大短縮位で収縮させるのですが、今度は細かいエクセントリック収縮とコンセントリック収縮を連続し、激しく焼け付く感じを味わえるまで行います。例えば、プッシュダウンで肘を完全に伸ばした位置から、直角手前まで曲げて行きます。その動きをリズミカルに行い、上腕三頭筋に連続的に負荷が加わるようにします。休みなく行うので、上腕三頭筋が焼け付いて来ます。

 

④1セット終了直後のアイソメトリック収縮(ISO)

1セットを終了直後に同じ筋群に対しアイソメトリック収縮を10〜15秒を行います。例えば、インクラインベンチプレス を行なったとします。10回行い挙上不能となった直後にバーベルを置いて、手のひらと手のひらを合わせて押し合います(パームプレス)。インクラインベンチプレス を行なった直後で疲労が残っている時に、さらにアイソメトリック収縮で追い込みます。これに関しては筋肥大を引き起こす要因を刺激するかどうかは分かりませんが、ターゲットとする筋群に意識しやすくなると考えています。

 

⑤エクセントリック収縮強調のマニュアルレジスタンス(ECC)

1セット終了した直後に、同じ筋群に対しエクセントリック収縮で5レップスほど、人に助けてもらって行います。例えば、サイドレイズであれば、10回で限界に到達したとします。すぐさまダンベルを床に置いて、腕を真横に上げます。トレーニーは腕を横に固定させるつもりで全力で頑張っているところに、補助者が上から負荷をかけて肘を体側に付けるまで押していきます。疲労困憊直後にさらに伸張性収縮で負荷を掛けていきます。伸張性収縮は筋を損傷させ肥大させる因子を刺激します。

 

⑥パーシャルレップス(PR)

可動範囲の一部だけを連続的に行う方法。これには全可動範囲の上部のみ、中部のみ、下部のみ、といった形で限定的に行う方法があります。

 

⑦ワン・アンド・ア・ハーフ法(1 and 0.5)

バイセプスカールやナロウグリップベンチプレスで使います。バイセプスカールの場合、最初に全可動域の上部半分だけ7レップス行います。そして、休まずに下部半分だけを7レップス行います。最後に全可動域で7レップス挙上します。前段階での上部と下部の7レップス×2セットで疲労を溜めて、前可動域を挑戦するので筋肉の追い込みが激しくなります。回数は7レップスでなくても8レップスでも9レップスでも良いです。非常にハードなテクニックです。

 

 

私が思いつく単一種目のテクニックはこれくらいです。複数種目ではコンパウンドセット、スーパーセット、トライセット、ジャイアントセットなどがあります。次回はこれを説明します。

これらがお役に立てば幸いです。

 

今年中には動画を撮って、解説を加えてYouTubeに流そうと思います。