WAKEフィジカルトレーニング

ミドルエイジからのワークアウト

ランニングでメタボを解消するには

メタボリックシンドロームという言葉が世に知れ渡ってから10年以上経ちます。一般的にはメタボと略されますが、この言葉が単なる肥満と解釈されることが少なくないです。メタボは内臓脂肪の蓄積にともなって、アディポサイトカインの分泌異常が動脈硬化性疾患を発症する症候群です。太っているという意味ではなく、蓄積した内臓脂肪から悪い物質が出ていろんな病気(糖尿病、高血圧、脂質異常症など)を作っているというイメージです。内臓脂肪を減少させる有効な方法は2つあります。言うまでもなく、食事の適正化運動の両輪です。この片輪を成す運動はどういったものが有効なのでしょうか?

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(1)メタボを予防・改善するには週に10エクササイズ

Ohkawaraらの研究では内臓脂肪を減少させる運動量として週に10エクササイズの量が必要であることが示されています。この「エクササイズ」というのは運動の意味ではなく単位です。簡単に言うと、10エクササイズというのは大体10kmのジョギングのエネルギー消費量に相当します。70kgの人が10km走ると体重と距離に比例する計算式で、70kg×10km=700kcalになります。つまり1週間に自分の体重の×10倍の消費カロリーで内臓脂肪が減少するという意味です。

 

(2)強度よりも量が大事

彼らの研究では「量反応関係」が成り立っていました。つまり内臓脂肪を落とすには車のガソリンと同じ発想で、走らせた分だけガソリンがなくなるという比例関係になります。ゆっくりと走ればガソリンは食わないので時間がかかります。速度を上げればパワーが必要なためガソリンが多く消費され短い時間でガソリンは減ります。考え方を変えると、きつい運動はやりたくないので軽い運動で長時間実施すれば量を稼げることになります。

 

(3)ランニングでメタボを解消するには?

体重と距離に比例する計算式というのはこれになります。

体重(kg)×距離(km)=ランニングの消費カロリー

です。ランニングの距離はおおよそ単位のエクササイズに相当しますので、非常に簡単です。実際にはスピード毎のMETsがあるのでそちらで計算する方が良いのですが、大まかにこの計算でいいと思います。

 

(4)絶対条件

ただし絶対条件があって、食事による摂取量はそのままに抑えておくことです。しかし、これが簡単ではなく食欲の亢進が抑えられず、消費したカロリー分を補ってしまい、結果減量が失敗してしまうことが多々あります。ポイントはお分かりの通り、消費したカロリーを上回らないように「お釣り」が残るようにすることです。

私の一番身近な親族がウォーキングを主に運動に取り組んできました。歩行のスピードはいつもどおりのスピードです。それを毎日50分確保して体重を10kg落としました。ちなみにウォーキングはランニングの約半分の消費量です。

 

メタボ解消というのは本来はそれほど難しい理論ではなく、収支バランスです。そして地道に動くことが大事です。その運動の中でもランニングは非常に簡単で利用しやすいです。是非、内臓脂肪が溜まっている可能性のある方は取り組んでいきたいです。ランニングというよりもスロージョギングに!