「生体は特異性に応じる性質がある」
分かりやすく書くと、
↓
「人間の身体は今までにない運動(負荷)が加わると、それに順応しようとする性質がある」
【筋力トレーニングを継続してきたお客さんの背中】
これは運動適応というもので、一般的には「効果」と言います。
効果があるのかどうかは、ある程度の期間トレーニングをやって何らかの反応があるかないかで判断できる。
が、これは勉強不足の考え方!
勉強不足は具体的にはこんなこと。
↓
普段から、自転車に乗って買い物に行くとします。
買い物に行く程度であれば、運動の強度として安静時の4倍ほどの運動強度です(4METsと言います)。
そこで普通にウォーキングをしましょうと言ったとします。
普通に歩くレベルであれば安静時の4倍程度の運動強度なので自転車で買い物に行くレベルと同じです。
これでは普段よりも高い要求が課されているとは言えません。
体力を上げようとするならば、今行なっている生活レベルの負荷よりも高い負荷を身体に与えないと適応は起こりません。
トレーニングの世界ではSAIDの原則と言うのがあります。
Specific Adaptation for Imposed Demand
と言います。「課された要求に対する特異的な適応」と訳されます。
これは上で述べたことを専門的な表現に変えた言葉です。
身体の中でどういった適応を起こさせたいのか?
「このトレーニングをやったから身体にこの変化が起こる」
ではなく、
「この適応を起こさせたいから、このトレーニングプログラムを作成した」
が大事だと思う。
この言葉(二行上の)、見方を変えると、表題の通り。
「生体は特異性に応じる性質がある」
つまり、トレーニング刺激をどう与えるか?
それを考えながらトレーニングのプログラムを考えていくのがトレーナー!
大事な仕事です。