WAKEフィジカルトレーニング

ミドルエイジからのワークアウト

強度と挙上回数を変えるテクニック

トレーニングでよくあることですが、何ヶ月も同じ内容のトレーニングをしていると効果が出にくくなります。筋肉も肥大しなくなり、挙上重量の更新も滞ってきます。トレーニングを開始すると筋肉は一定の刺激に対して最初は反応しますが(効果が出る)、継続して行くうちに反応しなくなります。そこで、それを打破するための方法がトレーニングの構成要素(強度、挙上回数、セット数、休息時間など)を変えていくテクニックがあります。筋肉に対して物理的に与える負荷や酸素不足状態にさせたり、代謝物を蓄積させて筋肉内の環境を過酷にすることで新たな反応を促すようにします。今日は停滞期を打破するための伝統的なテクニックを3つほどご紹介します。

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●伝統的なトレーニング強度の変更方法

重量と反復回数とセット数を変えるトレーニングです。初めてトレーニングする時にこんなことしませんでしたか?

方法1「腕立て伏せが30回できるようになったので、今度は35回に挑戦しよう」

方法2「ベンチプレス40kgが成功したから45kgに挑戦しよう」

といった感じです。方法1は私が中学生の時に実施した運動量の漸増法です。このように30回できるということは、私にとっては10回反復する腕立て伏せは余裕がある状態です。これを回数を増やしても筋肥大はなかなかうまくいきません。むしろ筋持久性の能力を上げるトレーニングになってしまいます。より力強く太い筋肉にしようと思ったら、負荷を上げる方法2に移行する必要があります。腕立て伏せではなかなか負荷を上げるのが難しいので、ベンチプレスというバーベルを使った方法が最適でしょう。方法2の重量を上げて10回前後で挙上不能になるといった方法が筋肥大には有効です。また3〜4回で挙上不能になるかなり重い重量でトレーニングすれば筋力アップに有効なトレーニングになります。インターバル※1も効果を出すために重要な要素です。強度とインターバルの関係を次にまとめます。

 

1)高強度トレーニング

3〜5回で挙上可能な負荷で行います。つまり90%1RMほどになります。高強度トレーニングの場合、セット間の休息を3〜4分にして、回復時間を十分に取ってから次のセットに進むのが良いです。筋力アップの効果が高くなります。

 

2)中強度トレーニング

8〜12回で挙上可能な負荷で行います。負荷は80〜70%1RMになります。この強度のトレーニングでは、セット間の休息を30〜60秒と短くして、疲労が回復しない間に次のセットに挑みます。無酸素性の代謝物が蓄積している状態で行うことにより、筋肉の肥大が促されやすくなります。筋肥大の効果が高くなります。

 

3)低強度トレーニング

20〜30回で挙上可能な負荷で行います。筋持久力の向上を促します。この回数で疲労困憊するまで行うと筋肉のパンプ感が極度に高くなります。筋力向上にはそれほど役立ちませんが、トレーニングのリズムを変えるために時々入れると刺激が新鮮になります。

 

私が専門学校生の時に初めて知った方法がこれらの高強度から中強度のトレーニング法でした。 ピリオダイゼーション※2という期分けのプログラムにこれらの方法が組み込まれていました。ベンチプレスも一気に80kgが6回(推定マックスが94kg)だったのが1RM※3が4ヶ月で120kgまで上がり衝撃を受けたことを覚えています。

 

★用語の解説

※1インターバル=セット間の休息時間

※2 ピリオダイゼーション=期分け

※3 RM=Repetition Maximum、最大で繰り返せる回数。例えば3RMなら最大3回反復できる回数を意味する。