坂本誠のフィジカルトレーニング

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よく聞く「スロージョギングは出来ない」という理由

原始的な運動といえば歩行と走行です。生得的な動作というか、ほとんど学ばなくても誰でもできる。2つの運動のうち、普通は歩く方が多いはずです。朝起きて洗面台に顔を洗いに行くまでに普通走りませんからね。走るのはスピード移動仕様なので、わざわざゆっくりでも走るようなことはしませんね。ですが、先行研究で分かっている通り、歩くスピードと同じ速度で走っても「きつさ」は歩いている時と同じです。エビデンス(証拠)はすでにあるのです。それなのに、一般の方に歩くスピードで走るスロージョギングを勧めても、「きついから出来ない」「無理です」といった応えが返ってきます。健康効果は高いのですが、どうも敬遠されてしまいます。面白いことに「筋トレしましょう」というと、やってみようという答えが返ってきます。筋トレの方がきついはずなのに、興味深いです。今日はこのことを考えてみます。

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(1)スロージョギングでもきつそうという印象

それは単純に「ジョギング」という名称が入っているからだと思います。私の実験では高齢者の方々に「ニコニコ笑顔を保てるペースで走ってください」と伝えても、平均時速6.5kmで走られます。実際には乳酸閾値が時速4.8kmなのに、それを遥かにオーバーして走っています。こうなると、このスピードは立派なジョギングで、スロージョギングではありません。このスピードは7METs程度に相当し、体力が低い方ではすでにきつく感じるスピードになります。こう言ったことが「きつさ」の印象と繋がるんでしょうね。だから出来ないってことになるということです。

 

(2)ジョギングは膝や足首などの衝撃が大きいという印象

直接聞いた話では「膝への衝撃が大きいから、辞めた方良いと思った」というものです。確かにそれは分かります。しかし、それを解消するために足の指の付け根から着地するフォアフットを勧めています。足首のバネが活かされやすいため膝への衝撃が和らぎます。私も昔やり投げをやっていて、右脚への負担が大きいので膝がある角度で痛く、長距離を走るともっと痛みが出ていました。しかし、フォアフットに変えてスロージョギングを始めたところ全く膝の痛みが出なくなりました。以前はかかと着地だったし、オーバースピードだったです。多くの人を見るとほとんどの人がかかと着地で、先述のとおりオーバーペースです。怪我する不安があるからジョギングはやりたくないというものです。

 

(3)そんなに遅いジョギングだと外で走るのが恥ずかしいという印象

これもうなずけます。スロージョギング教室でお客さんと列をなして走ってたい時のことです。ある女性が「こんなに遅いと恥ずかしいですよね」と。こんなに遅く走っても「スロージョギングしてるんだね!」と言われるくらい認知度を上げる必要があります。このジョギングが恥ずかしくなくなった時に日本は救われますよ。健康長寿!

 

(4)真摯に受け止めるべきみなさんの言葉

こう言った印象を持たれるのもよ〜く分かります。我々指導者はそのことをしっかりと受け止めないといけませんね。ここの印象を変えることができれば、スロージョギング人口がもっと増えると思います。スロージョギングの違う見せ方が必要なのかもしれませんね。